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一、宮名とご祭神
 月夜見宮(つきよみのみや)
 月夜見尊(つきよみのみこと)
 月夜見尊荒御魂(つきよみのみことのあらみたま)

ニ、ご鎮座地
 JR伊勢市駅前から南にて10分。また、外宮から北に徒歩で10分で、楠(くす)、欅(けやき)、杉その他常緑の木々のおい茂った当宮のご社頭に達します。一歩神域に入りますと、町中のお宮とは思えない、清らかな静けさが、感じられます。

三、ご鎮座の由来と沿革
 ご祭神の月夜見尊は、天照大御神の弟神で、皇大神宮別宮の月讀宮におまつりされている月讀尊と、ご同神でありますが、当宮では、月夜見尊の文字が用いられております。
 月夜見尊の御事については、『日本書紀』(元正天皇養老4年〈720〉奏進)の上巻に、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)2柱の御親神が、天照大御神をお生みになり、次に月讀尊をお生みになられ、月讀尊は夜之食国(よるのおすくに)を治めるようにとご委任されたと記されております。
 『日本書紀』には、月夜見尊(月讀尊の文字も用いられております)は、その光彩(ひかりうるわしいこと)が、天照大御神に亜(つ)ぐものであると、たたえられております。天照大御神のご神徳は、「その光華明彩(ひかりうるわしいこと)、六合(あめつち)の内に照り徹(とお)るほどでございます」と、太陽にたとえられていますが、月夜見尊のご威徳は、それにつぐものとして、月になぞらえて、たたえられたと考えられます。
 皇大神宮別宮の月讀宮は月讀尊と月讀尊荒御魂がそれぞれご殿を分けておまつりされていますが、月夜見宮は、月夜見尊と月夜見尊荒御魂が一つのご殿に合わせておまつりされています。
 月夜見宮はご鎮座地が伊勢市の中央に位置し、周囲は繁華街となっておりますが、古くは高河原(たかがわら)と呼ばれ農耕と深いつながりのあるお社です。『延喜大神宮式』(第60代醍醐天皇延長5年〈927〉奏進)には、外宮の摂社(せっしゃ)の首位に列せられておりましたが、鎌倉時代のはじめ、第83代土御門(つちみかど)天皇の承元4年〈1210〉に、別宮に昇格されました。
 なお、外宮の北御門から真っすぐ月夜見宮に至る宮後町の道は、昔並木があり、その道の真中は歩かない、また穢れに触れてしまった者はその道を避けて通らなかったという習慣がありました。町の古老の伝える歌に
 宮柱建て初めしより月讀の神の生きかふ中のふる道
 月讀の宮仕へとて夙(つと)に起き通ふ神路を清めざらめや
とあり、この道は神様の通う道であると信じられ大切にされていたようです。現在もこの道は地元の人々に「神路通り」と呼ばれ、親しまれています。