はじめての神宮変わらないために、
変えるということ〜 これからの神宮×未来のわたし 〜

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流れる時のなか、「変わらない」ために「変える」とはどういうことでしょう。
5年後、10年後、20年後のわたしは、今のわたしと変わっているのでしょうか。

すこし先の自分を想像しながら、これからの神宮のタイムラインを、一緒にたどってみませんか。

まずは、身近なくらしの話からはじめましょう。

[ food ]Everyday

昨日の夜は何を食べましたか。
明日の朝は何を食べましょうか。

神さまも毎日朝夕、お食事をなさいます。
お供えされる食事を「神饌しんせん」といいます。

変わる変わらない

昨日のわたしと、明日のわたし

[ cloth ]Every Season

去年の春は何色の服を着ましたか。
来年の秋は何色の服を着たいですか。

神さまも毎年春と秋に、衣を新しくされます。
お供えされる衣を「神御衣かんみそ」といいます。

変わる変わらない

去年のわたしと、来年のわたし

[ shelter ]Every 20years

今はどこに住んでいますか。
20年後はどこに住んでいたいですか。

神さまも20年に一度お引越しをなさいます。
社殿を建て替え、神さまにお遷りいただく
神宮最大のお祭りを「式年遷宮」といいます。

変わる変わらない

今のわたしと、20年後のわたし

晴れの日も、
雨の日も、
風の日もある。

晴れの日も、雨の日も、風の日も
欠かすことなく神さまに感謝をささげ、
日本と皆さまの幸せをお祈りしています。

そして続く。

降り注いだ雨で草木が芽生え、生い茂る。
人も自然も生まれ育ち、新陳代謝と循環を
繰り返します。山の水は川へと流れ、
土を潤し、お米や野菜が作られます。
やがて海へ流れ、水はふたたび
雲となって天へ昇るのです。

5年後、10年後、20年後のわたしは、どこにいて、何をしているでしょう。

すこし先の自分を想像しながら、これからの神宮のタイムラインを一緒にたどってみませんか。

〜これからの神宮×未来のわたし〜TimeLine

現在

前回式年遷宮(第62回 平成25年)当時、真新しかった社殿も約年の時を経ています。

変わらないために、
変えるということ〜 式年遷宮の思想 〜

自然や生命が循環するように。
過去のものが現在に生き、
未来にわたり常に若く
瑞々しい姿を保ち続ける。

まわりが
変化しても、
変わらない
何かを守る。

パルテノン神殿やピラミッドのように石造りの建築物は遺跡となり風化していきます。一方、木でできた神宮の社殿は20年に一度建て替えることにより、常に若々しく美しく保たれるという永遠性を求めています。
変化のスピードが早い社会の中、「何も変わらない」ためにあえて「変える」という独特のスタイルを守り続けているといえます。

年後

令和7年(2025)※予定

次期式年遷宮のはじまり

9年の歳月をかけ、33のお祭りと行事を行います。(祭典はすべて現時点での予定です)

御神木のお祭り

  • 新しい社殿の木々を
    切り出す「御杣始祭みそまはじめさい
  • 木々を内宮外宮に
    お運びする「御木曳おきひき行事
    など

年後

令和11年(2029)※予定

社殿建築のお祭り

  • 新しい橋を渡りはじめる
    宇治橋渡始式うじばしわたりはじめしき」 など

新たに一歩
踏み出し、
まっさらな
道を切り開く。

橋はこちら岸とあちら岸と離れた2つの世界を結ぶもの。国生みの神話も「天浮橋あめのうきはし」の上から始まります。
宇治橋渡始式では新たに架け替えられた宇治橋を、三世代揃いの夫婦が「渡女わたりめ」と呼ばれる老女を先頭に渡り始めます。
聖と俗を結ぶ橋・宇治橋は新たな20年間、内宮の森へと私たちを誘います。

10年後

年後

令和15年(2033)※予定

  • 社殿の敷地に白い石を敷く
    御白石持おしらいしもち行事」など

式年遷宮の中核をなすお祭り

クライマックスともいうべき儀式は「浄闇じょうあん」—けがれなき暗闇のなか行われます。(祭典はすべて現時点での予定です)

神遷しのお祭り

  • かかわるすべての奉仕員を
    祓い清める「川原大祓かわらおおはらい
  • 天照大御神あまてらすおおみかみが現在の社殿から
    新殿へとお遷りになる
    遷御せんぎょ」など

10年後

自分の姿を
見つめ直し、
闇のなかに
光を招く。

遷御の前日には大御神へのご奉仕に適うよう、儀式に奉仕するすべての神職を祓い清めます。
遷御の儀は浄闇の中、神職が鶏の鳴き声をまねる鶏鳴三声けいめいさんせいを合図に始まります。これは古くより鶏は暗い闇を払い、光輝く太陽を招く鳥と信じられていたためです。

15年後

受け継がれる、
匠の技とこころ御装束神宝おんしょうぞくしんぽう

当代最高の
美術工芸家たちにより日本の
伝統技術を後世に伝える。
神さまの衣や日用品、武具など
すべて新しく作り替える。

ただ、
ひたむきに
継続する。

式年遷宮では社殿だけではなく、神々がお使いになる調度品、「御装束神宝」も新たに調えられます。我が国最高の技術はこれまで寸分の妥協も許さずに守り伝えられ、次の世代へと引き継がれてきました。しかし、生活様式の変化により、材料や制作する職人の減少が危惧されています。

20年後

式年遷宮の古材リサイクル

古い社殿は解体して全国の神社へ。
内宮外宮御正殿の棟持柱むなもちばしらは宇治橋外側、内側の鳥居に用いられ、20年後に三重県桑名市七里しちりわたし跡、亀山市せき追分おいわけの鳥居に移築。
計60年にわたって使用されたのち、さらに地元の神社へわたります。

25年後

過去と今と
未来の連鎖〜神宮のサステナビリティ〜

2000年以上にわたり、
大切に育み、
守られてきた神宮の森。
さらにこの先の未来に向けた
準備はすでに始まっている。

変わらない
ために、変える。
その先へ。

伊勢市の4分の1を占める「神宮林」。200年後には式年遷宮で利用する御用材を100%自給しようという「森林経営計画」が大正11年から実施され、未来の式年遷宮を支える役割を担っています。

先祖からわたしたちへ、さらにその子孫へと、人々の命がつながるように。式年遷宮の心と森の命も永久につながっていくのです。

30年後

2000年前から、
常に人々の心と、
くらしに寄り添う神宮。
そして2000年後もずっと。

今を生き、その先を生きるわたしとともに。

今のわたしは、
未来へと
つながっている。

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