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社殿の建築
天高く伸びる「千木」や
御屋根に並ぶ「鰹木」が、
古代の佇まいを今に伝える神明造
正宮は正殿を中心にして、瑞垣・内玉垣・外玉垣・板垣の四重の垣根がめぐらされています。その建築様式は神明造と呼ばれ、日本古来の建築様式を伝えます。切妻、平入の高床式の穀倉の形式から宮殿形式に発展したものと考えられ、檜の素木を用い、屋根は萱葺、柱は掘立など、その姿は簡素にして直線的で、素木の美しさを最も輝かせる建築様式と言えます。
神明造の特徴
- 1.檜の素木造りであること
- 2.丸柱の掘立式で礎石を使用しないこと
- 3.切妻・平入の高床式で棟木の両端に棟持柱があること
- 4.萱葺の屋根の上には鰹木が置かれていること
- 5.千木は屋根の搏風が伸びた形状であること
- ①千木
- ②棟木
- ③行
- ④妻
- ⑤桁
- ⑥梁
- ⑦棟持柱
- ⑧柱
- ⑨四間樌
- ⑩足堅
- ⑪壁板
- ⑫杈首
-
鰹木(内宮) -
千木(外宮)
内宮と外宮の違い
神宮の社殿の中でも両正宮の正殿は、その規模が格別に大きいことや、外に高欄[1]が廻らされ居玉[2]が飾られていることなど、別宮以下の社殿とは特徴が異なります。また内宮と外宮の正宮は、殿舎の配置、構造など、細部には相違点があります。
- [1]高欄とは建物の外縁などに縦横に材をわたしたものです。
- [2]居玉とは内宮と外宮の正殿の高欄に取り付けられた玉。青、黄、赤、白、黒と5色あります。
- 内宮
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- 正殿の構造
- 京呂組
- 正殿の鰹木
- 10本(偶数)
- 千木
- 内削
- 東・西宝殿
- 正殿後方の左右
- 外宮
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- 正殿の構造
- 折置組
- 正殿の鰹木
- 9本(奇数)
- 千木
- 外削
- 東・西宝殿
- 正殿前方の左右
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内宮正殿 -
外宮正殿
その他にも内宮のみあるものとして、中重鳥居の八重榊、内玉垣の西腋門、瑞垣と内玉垣の間の蕃垣、外宮のみにあるものとして、御饌殿、外幣殿が挙げられます。(内宮の外幣殿は御垣の外にあります。)













