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恒例祭典5月/10月 神御衣祭
古式のままに奉織された
和妙と荒妙を、高天原の
古事に因んで奉るお祭り
神様の衣を「神御衣」といいます。神宮では毎年春と秋、天照大御神に和妙と呼ばれる絹と荒妙と呼ばれる麻の反物を、御糸、御針などの御料と共にお供えする神御衣祭が行われています。
5月と10月の14日に皇大神宮と、第一の別宮で天照大御神の荒御魂をお祀りする荒祭宮に神御衣を奉ります。豊受大神宮やその他の宮社では行われない、天照大御神だけを対象にする大変意義深いお祭りです。
神御衣祭の由緒と沿革
神御衣祭は、神宮のお祭りの中でも神嘗祭と共に古い由緒のあるお祭りで、平安時代の『皇太神宮儀式帳[1]』や『延喜式[2]』には、その内容が詳しく記されています。現在、一般では「神様の夏と冬の衣替えのお祭り」と説明されていますが、『令義解』や『令集解』などによると、古くは神嘗祭の当日に神御衣がお供えされていますので衣替えではないと言えます。
それは新しい御料を奉ることにより、大御神の御神威がさらに増すことを願う意味があると考えられています。
- [1]皇太神宮儀式帳とは延暦23年(804)宮司大中臣真継らが神祇官に提出した上申文書。祭儀、鎮座の由来などについて記した重要な神宮資料です。
- [2]延喜式とは平安時代中期に編纂された古代法典。巻四には神宮のことが記されています。
神御衣は、三重県松阪市の郊外に鎮座する神服織機殿神社で和妙が、神麻続機殿神社で荒妙が5月と10月の初日から2週間をかけて奉織されます。この辺りは古くから紡績業と関係が深く、機織りを行う服部神部という人々が住んでいたといわれます。 現在も下御糸、上御糸、中麻績などの地名が残っていることから、その関係の深さを伺うことができます。










